トロミ剤を用いた方法では、トロミ自体が錠剤の表面に留まるため、水分が中心部分にまで届かず、試験薬剤の崩壊が見られなかったと考えられ、このことはメチレンブルーで着色したトロミ剤を用いた検討結果からも支持される。一方、水オブラート法では水分がオブラートを自由に通過、錠剤の中心部分まで水分が浸透するため、オブラート内での崩壊が見られたのではないかと考えられた。従来、摂食嚥下障害を有する患者に対するトロミ調整食品を用いた方法が採られてきたが、個々の薬剤の崩壊性を評価することは、摂食嚥下障害を有する患者に対して、薬剤師による医療スタッフや患者家族への情報提供する上でも、重要な製剤物性のひとつである。