幼児期のナラティブスキルは、その後の学習や読み書き能力につながる言語力として重視されている。しかし、就学前児童の物語能力の発達過程や評価方法に関する研究は十分ではない。報告者らは、未就学児のナラティブ能力の発達過程や評価方法を検討するために、ストーリー・リテリング課題を作成し、分析を行ってきた(2019, et al)。本研究では、新たな調査結果を加え、日本の定型発達未就学児のナラティブスキルの発達を検討することを目的とした。
本研究では、ストーリー・リテリングの発達を評価するための効果的な採点方法を提案し、ナラティブスキルの問題を早期に発見するための基礎データを提示した。ストーリー・リテリングの能力は5歳から6歳にかけて著しく発達し、6歳で一定のレベルに達することが明らかになった。