「近代ムスリム市民社会」の誕生―イスラーム擁護協会の「女性問題」から考える―
本書は、市民社会という概念をめぐる論争を踏まえて、パキスタン市民社会の歴史的形成を植民地期に遡って立証した。具体的にはイスラーム擁護協会というムスリムの結社を事例として、19世紀後半から20世紀前半にかけての機関誌を始めとした一次資料を読み解いた。植民地期のムスリム市民社会は、西洋とは異なった「近代」を経験することにより、コミュニティからは自立したパキスタン市民を輩出していった。
晃洋書房