その他の研究業績等

基本情報

氏名 黄 美蘭
氏名(カナ) コウ ビラン
氏名(英語) Meilan Huang
所属 人文社会学部 人間文化学科 グローバルコミュニケーションコース
職名 講師
researchmap研究者コード
researchmap機関

タイトル・テーマ

留学生急増国における日本へのプッシュ要因とプル要因についての検討−ベトナム、ミャンマー、インドネシア、スリランカを中心に−

単著・共著の別

共著

発行又は発表の年月

201912

発表学会等の名称

ウェブマガジン『留学交流』

概要

本研究では、日本への留学生数が急増している東南アジアおよび南アジア諸国のうち、特に増加率が顕著であるベトナム、ミャンマー、インドネシア、スリランカの4カ国について、1)各国からの日本留学の背景となる政治的・経済的・歴史的・社会文化的背景等について、2)各国における日本留学のプッシュ要因、プル要因、プッシュ・プル要因について明らかにすることを目的とした。

2018年6月から9月にかけて、日本国内および対象国現地でのインタビュー調査と補助的な質問紙調査を実施した。対象者はベトナム8名、ミャンマー7名、インドネシア2名、スリランカ3名である。インタビューはいずれも1時間程度、留学生の出身国において日本留学へのプッシュ要因となった事柄やその背景にあるもの、日本での留学生活、アルバイトの様子、将来希望するキャリア等について、半構造化インタビューを行った。

その結果、各国に共通する主なプッシュ要因として、1)社会における海外留学への高評価、2)制度面の充実、3)就職の厳しさ、4)現地の不完全な職場環境、5)家族のサポートが挙げられる。また、共通するプル要因として、1)日本の環境の良さ、2)日本文化・日本人に対する好意、3)金銭的なメリット(奨学金、アルバイトなど)、4)ネットワークの存在が挙げられる。国により異なる文化背景や要因は存在するものの、共通してみられたのは日本留学が現地社会で高い評価を受けていること、日本という国への親しみや、環境の良さ、給与の高さに魅力を感じて留学している点であった。
一方、国別にみられた特徴的なプッシュ要因として、1)ベトナムにおいては、古くから外国に住むことのハードルが低く、家庭内でも比較的気軽に日本へ留学する雰囲気があることやJASSOベトナム事務所の開設などにより、より一層日本留学の情報を得やすくなったことが挙げられる。2)インドネシアにおいては、多文化国家特有の就職機会の不均等が挙げられる。3)ミャンマーにおいては、軍政が解かれて民主制へ移行し、日本企業の進出が著しく、社会における需要が急増している点が挙げられる。4)スリランカにおいては、日経企業の進出が他の3カ国ほど顕著ではないものの、近年急速に中等教育における日本語教育環境が整い、日本語学習者数も急増していることが挙げられる。