欧米諸国における国際山岳リゾートでは、昨今のツーリズム需要の増加を背景に、労働力需要が拡大しており、産業の持続的観点から外部労働力の重要性が議論の中心にある。当該報告では北米を代表する国際山岳リゾートの地域労働市場の持続性に関して、とくにツーリズム産業における外国人労働者に着目して検討した。その結果、地域労働市場は、①語学や職業スキルを磨き、昇進や転職、起業を通じて永住ビザを獲得して定住する過程、②ワーキング・ホリデービザをもち季節労働力として発地国や次の移動先との間を循環する過程という、主に2つの過程にもとづいて持続性を有することが指摘された。