日本古代官営工房から私工房への発展過程に見る初級技術教育の変遷-「日本感霊録」三島島継伝を通して(査読付き)
古代生産技術教育の研究対象を歴史上の人物に求めて検討した。三島島継は後に「大夫大工」にまで出世し、国家の代表する技術者として東大寺関係文書は伝えている。この史料に見られる疑問点から島継生存期の技術伝習と彼が伝説化された時期の技術伝習には重要な違いがあることを確認した。このことはわが国の生産技術教育が9~10世紀に大きく転換したことを示す事実として注目できることを明らかにした。
日本大学教育学会 「教育学雑誌」23号 (PP.16~30)