飛騨工の教育史的考察(査読付き)
古代の生産技術教育研究の対象を、8~9世紀、官営事業において代替不可能な技術者として参加した「飛騨工」に求め、彼らの技術を温存・伝習してきた教育の諸相に注目した。この中から、飛騨工逃亡禁止の太政官符が飛騨地方の優れた技術を確保・温存していく教育政策であったことを確認した。これは外来技術が国家機関である官営工房において技術伝習の対象とされたのに対し、在来の技術が「家族」を基盤とし
日本教育史研究会 「日本教育史研究」 6号 (PP.29~50)