明治20年代中期の古代史教材の転換-聖徳太子教材の成立を通して-(査読付き)
8世紀の造寺事業に見られる生産技術教育を、古代民衆の生活のレベルから検討。造瓦技術は巨大建築物のみに必要で、民衆生活とは関係がないように思われる。しかし、造瓦技術の応用により、食物貯蔵用土器の生産技術は向上し、民衆生活を大きく変化させた。また、製塩業も寺院経済と深く関係した。これらの結びつきが日本的食文化の基礎となる。古代国家による造寺事業が果たした教育的側面に関する研究。
教育史学会 「日本の教育史学」 28集 (PP.4~32)