現在、医用アレイ超音波プローブには、主に圧電 セラミックスや高分子圧電フィルムが用いられてい る。しかし、圧電セラミックス振動子は、硬脆材料 のため、微細なアレイ型高周波プローブの作製が困難である。また、高分子圧電フィルムは、可撓性があり壊れにくいが、送波感度が低いなどの問題がある。一方、我々は、水熱合成法を用いて、チタン基板上にPZT圧電多結晶膜を成膜する研究を行っている。この水熱合成法は、チタンに対して選択的にPZT等のペロブスカイト型強誘電体の多結晶膜を形成することが可能であり、微細な振動子の作製にも最適な方法であると考えている。そこで本研究では、水熱合成法により得られる圧電多結晶膜の特長を利用して、50μm以下の小型1Dアレイ超音波プローブを作製し、このプローブで受信した超音波パルス波形の評価を行った。
共著者:鈴木崇洋、 桂尚樹、佐藤敏夫、川島徳道、竹内真一、石河睦生、黒澤実
担当部分:研究・調査、データ分析及び、全文執筆