境界性人格障害の入院治療に関する研究.(査読付き)
境界性人格障害に対して、わが国に適合した入院治療システムを開発することを目的として、まず内外の文献の渉猟により現在の治療水準を明らかにし、次に筆者らの大学病院入院症例の中から任意に抽出した症例の治療実態を検討した。その結果、短期入院傾向が進展する中で治療は緊急避難、危機介入が治療目的となってきていること、短期入院は病的退行を減少させ患者の主体性を維持するのに効果的であったことが示唆された。
精神神経学雑誌,106(10), pp.1266-1269.