学会発表
元永拓郎, 森美加, 馬渕麻由子, 酒井佳永.
リウマチを持つ人への心理的支援は、職種を超えてさまざまな形でなされることになる。多くの場合は、リウマチ医療の中で関与する医師、看護師を含めた多職種が、その専門的支援の中で、何らかの形ですでに心理的支援を行っているであろう。演者らは、そのような観点から、看護師が心理的支援をどのように展開するかについての研修プログラムを開発し実施している。このプログラムでは、特定の心理学的な技法を用いるのではなく、看護師が日常のリウマチ医療の中で、どのような心理的支援をすでに行っているかに着目し、そのすでに行っていることを安定して、また時間に追われている臨床の場において、どのように効果的に行うことができるかに焦点をあてている。またリウマチ医療における心理的支援の目標は、その人のQOLの向上を目指したものであるが、臨床の場に特化した目標としては、質の高いリウマチ医療を提供するためと絞り込むことが適切であろう。Treat to Target の考えにあるような明確な治療目標を設定する場合、本人との良質な関係を構築し、本人の治療への主体的な参加を保障する必要がある。そのための重要な条件として、質の高い心理的支援がますます求められているであろう。この考え方は、看護師のみならず、医師やコメディカルスタッフとも共有したいところである。多職種連携のひとつのキーワードとして心理的支援を示し、その共通認識の共有と実践に関する検討を行いたい。