学会発表
高木明子, 鈴木由香, 福士朝子, 森美加, 斎藤健一郎, 他2名.
2014年3月までに精神科リエゾンチームが介入し、血液・腫瘍内科の治療に骨髄移植を行った16件のケースのうち、骨髄移植の過程で学習性食物嫌悪をきたした症例を振り返り、骨髄移植患者の摂食に対する関わりについて考察した。化学療法による不快感が摂取した飲食物への嫌悪の条件づけを形成することを学習性食物嫌悪と呼ぶが、臨床での認知度は低い。骨髄移植を行う患者に対して、早期からの精神的サポートのニーズがあり、患者介入に併せて多職種チームの立場から病棟を俯瞰すると、スタッフと患者との情緒的に密接な関わりはプラスに働くが、食事を摂れない患者に対しては、励ましや食事の必要性を説明するといった介入が患者の負担感を増していた。今回、学習性食物嫌悪を検討することで、スタッフの患者に対する配慮と他の専門的なアプローチを行う必要性が考えられた。