学会発表
高木明子, 森美加, 岩崎弘, 伊藤達彦, 忽滑谷和孝.
精神科医1名、臨床心理士1名、リエゾンナース1名からなる精神科リエゾンチームは、精神疾患を併存する患者が一般病棟に入院する際のサポートを行うことで、身体科の治療をスムーズに遂行できるようにする役割を期待されている。身体科の医師や看護師は、精神症状の評価や対応が困難であり、不安や困惑などの陰性感情を持ちやすいことから、患者の身体的な治療が滞る危険性が生じると考えられる。今回は、双極性障害の診断で30回の精神科入院歴があり、現在も精神科クリニックに通院中の患者が、外反母趾の手術のため整形外科に入院した症例において、精神科リエゾンチームが介入することにより、患者の意思決定の尊重、適切な入院期間での治療の提供、医療スタッフの安心感をもたらすことができたと考えられる。