学会発表
Identityの確立は、思春期・青年期の精神発達において、重要な発達課題であり、うまく乗り越えられず、不安定になり、精神科を受診するケースも多い。そのような場合、一家が医師であるケースでは、主治医との治療関係が築きにくい。そこで、医師ではない臨床心理士ならではのサポートの有効性について、検討してみた。医師である主治医に対しては、親と同一視することにより、劣等感や反発が生じ、防衛的となって本音を安心して語れない状況であったが、臨床心理士とのカウンセリングによって、次第にいろいろな価値観があることに気づき、自分なりの人生の目標を見出すことができるようになったと考えられる。