学会発表
前回、前々回の研究の次のステップとして、DBTの重要な要素である苦悩に耐える技能 (Distress Tolerance Skills) を取り上げ、DBTテキストに沿って個人サイコセラピーの中で施行し、その有用性、認容性を検討した。その結果、プログラムを進める過程で、辛い出来事や感情を衝動行為に走らずに乗り越えることが少しずつできるようになってきた。これは、苦悩耐性レベルをスキル前後で数値化したことで苦悩の度合いを0か100かだけでなく詳細にイメージできたこと、起こしたかった破壊行動の起こした場合、起こさなかった場合の良い点、悪い点を具体的に提示することで破壊行動の無意味さを現実的なレベルで感じることができたことが、効果的であったと考えられる。