発達に遅れのある子どもとその母親との相談過程
約3年半にわたる相談過程の中で子どもは行動や情動の主体的調整の感覚を育んでいった。母親は,面接の場が親子ともに心地よく居られるものとして感じ,修正感情体験を通じて,子育てに対する自信を回復していった。親が子どもの発達の理解を深め,その子どもの発達の遅れや障害に向き合いたいと感じたときに心理臨床家は親の主体性を支えることが重要であると考察された。
お茶の水女子大学心理臨床相談センター紀要