乳井 勇二, 青柳 徹, 植田 央, 津山 薫
本研究の目的は大学スケート選手のバランス能力および下肢筋力を比較・検討することにより、競技力向上に繋げることであった。対象はN大学男子スピードスケート選手(SS)16名、アイスホッケー選手(IH)33名、インラインホッケー選手(IL)13名とした。測定項目は身長、体重、ディジョックボード上での重心動揺(BSD)、片脚パラレルスクワット屈曲位での重心動揺(BSP)、片脚ハーフスクワット屈曲位での重心動揺(BSH)、片脚屈伸運動時での重心動揺(BSS)、等速性膝関節筋力、等速性股関節筋力とした。結果はBSD、BSP、BSH、BSSのいずれにおいてもSS群が最も優れており、特に外周面積で大きな差が見られた。しかし下肢筋力(膝関節、股関節)では、3種目間でいずれも有意差は見られなかった。以上よりスピードスケート選手のバランス能力が最も優れていることが示され、さらなる競技力の向上には下肢筋力の強化が必要である可能性が示唆された。