その他の研究業績等

基本情報

氏名 宮﨑 学
氏名(カナ) ミヤザキ マナブ
氏名(英語) Manabu Miyazaki
所属 健康メディカル学部 理学療法学科
職名 講師
researchmap研究者コード
researchmap機関

タイトル・テーマ

Restless legs syndromeを発症した切迫流早産患者に対する理学療法の一例

単著・共著の別

その他(発表学会等)

発行又は発表の年月

202210

発表学会等の名称

第15回日本早産学会学術集会(青森)

概要

【背景】妊娠はRestless legs syndrome(以下,RLS)をもたらす因子の一つとされ,症状の発現部位の筋肉を活動させることで軽減する.今回,RLSを発症し,切迫流早産にて安静を要した患者への理学療法により症状が改善したので報告する.
【臨床経過】44歳,女性.妊娠後より下肢の異常感覚を生じ,RLSの診断.プラミペキソールと鉄剤の内服,症状増強時には歩行やシャワー浴での対症療法を行っていた.妊娠29週4日,外来受診時に腹部緊張増強,頸管長短縮を認め切迫早産の診断にて入院.入院時の安静度はトイレ歩行のみ許可されていた.入院8日目より理学療法を開始し,FIMは121点,病棟内ADLは自立していた.トイレ歩行にて子宮収縮増強の自覚あり,運動に対する不安を感じていた.RLS重症度スケールは21/40点と重症であった.理学療法は1回20分,週に2回行い,下肢のマッサージ,腹圧に注意した低負荷での下肢筋力強化運動,セラバンドを用いた四肢の自主練習を指導した.理学療法前後での腹部緊張の増強はなかった.妊娠34週から立位での運動を開始し,妊娠36週6日,FIM125点,RSL重症度スケールは中等症の19点,ADL自立にて自宅退院した.
【考察】RLSは妊娠8か月頃に最も頻度が高くなるとされ,本症例は切迫流早産による入院安静も加わり,下肢の異常感覚が増強した可能性がある.理学療法士の定時の訪問,会話や運動が待ち遠しく,気分転換になっていたとの発言もあり,理学療法士の訪問によりRLS症状から注意の転換,および切迫流早産症状の増悪なく心身機能の維持を行うことができた.
【結論】切迫流早産による入院安静はRLS増悪のリスクになり得る.理学療法治療は,切迫流早産によるADL低下の予防およびRLSの症状緩和に有用である