給食は、利用者の習慣的な栄養素等摂取量に寄与するため、その評価は、調理による成分変化を考慮する必要がある。学校給食では、文部科学省が示したビタミン類の調理損耗率を用いてきた歴史があるが、その設定根拠は明らかではない。そこで、特定給食施設の条件で調理した料理に含まれるビタミンB1、B2量の分析値と成分表および損耗率を用いた計算値を比較し、損耗率の考え方を給食施設の栄養計算に用いることの妥当性を検討することを目的とした。その結果、計算値は成分表を用いた生、加熱考慮、損耗率考慮のいずれにおいても、ほぼ同等に食事からの給与量を推計可能である可能性が示唆され、現状、給食の運営業務を考慮すると、損耗率のような一定の係数を用いる方法を選択することが妥当である可能性が示唆された。