その他の研究業績等

基本情報

氏名 恒松 美香子
氏名(カナ) ツネマツ ミカコ
氏名(英語) Mikako Tsunematsu
所属 ヒューマンケア学部 鍼灸学科
職名 講師
researchmap研究者コード
researchmap機関

タイトル・テーマ

鍼灸施術に応用できる腰痛に関連する要因の検討

単著・共著の別

その他(発表学会等)

発行又は発表の年月

202405

発表学会等の名称

第73回全日本鍼灸学会学術大会抄録集

概要

背景:腰痛は、筋肉の状態、仙骨の傾き、その他の部位の痛みなどの様々な要因が関与していることが示唆されている。鍼灸施術を行う上でも、どのような身体の要因が腰痛に関与しているかを考慮し、腰痛に関連する部位に刺激を与えることは、効果的な施術を行う上で有用であると考えられる。そこで、本研究は、腰痛に関与する身体の要因を明らかにし、有用な鍼灸施術部位を検討すること目的とする。
方法:対象者は20名の大学生とした。この対象者について、Visual analogue scaleによる腰部、股関節、膝関節、足関節の疼痛の程度。Modified Thomas test(MTT)による腸腰筋の柔軟性、股関節・体幹の屈曲および伸展の関節可動域、超音波画像診断装置を用いた腸腰筋・大殿筋の厚さ、ハンドヘルドダイナモメーターを用いた股関節の屈曲・伸展の筋力、側面からの写真撮影とその写真を基にした骨盤の傾きを評価した。測定した項目と安静時の腰痛の程度との関連をピアソンの積率相関係数で検討した。
結果:安静時の腰痛(以下、腰痛)の程度と股関節痛の安静時・運動時痛には、正の相関が認められた。また、安静時の腰痛の程度とMTTとの間には、負の相関が認められた。安静時の腰痛の程度と大殿筋および腸腰筋厚との間には、負の相関が認められた。
考察:腰痛が強い者ほど股関節の痛みが強かったことより、腸腰筋などの腰部と股関節をつなぐ組織の状態が腰痛に関連していることが考えられた。また、腰痛が強い人ほどMTTの値が小さかったことは、股関節の可動域の悪さが腰痛に関連したと推測された。さらに、腰痛が強い人ほど、大殿筋・腸腰筋厚が薄かったことは、これらの筋の作用を他の腰部の筋肉が代償し負担をかけたために腰痛が発生した可能性があると考えた。腰痛症状改善のための鍼施術を行う際は、腰部だけでなく、股関節周囲の症状にも注意を払い、必要に応じてその部への刺激を行うことも有用であると推測される。
結語:腰痛には股関節の状態が関連することが示唆された。 
p215
鈴木宥翔、小川日奈子、須藤里香、高田柚希、野口真吾、恒松美香子