その他の研究業績等

基本情報

氏名 恒松 美香子
氏名(カナ) ツネマツ ミカコ
氏名(英語) Mikako Tsunematsu
所属 ヒューマンケア学部 鍼灸学科
職名 講師
researchmap研究者コード
researchmap機関

タイトル・テーマ

衛生的な鍼施術法構築に関する研究-臨床室内での実践的検討

単著・共著の別

その他(発表学会等)

発行又は発表の年月

202106

発表学会等の名称

第70回(公社)全日本鍼灸学会学術大会抄録集

概要

目的:不衛生な手指で鍼灸針(以下、鍼)に触れた場合、鍼に付着することが想定される。しかし、実際の臨床上の行動をとった際の微生物の鍼への付着状況は明らかになっていない。今回、臨床室での行動を想定した条件下での手指衛生操作と鍼および鍼灸師手指への細菌付着の状況を検討した。
方法:鍼灸師6名(晴眼者3名、視覚障害者3名)を対象者とした。対象者は、臨床室での行動を想定し、手洗い後擦式消毒を行った後、治療ブースに移動し、患者に理学検査を行った。その後、再度手指消毒は行わない素手(条件1)、再度擦式消毒を行った素手(条件2)、グローブ着用するが表面の消毒無し(条件3)、グローブ着用かつ表面を消毒(条件4)、の4条件で、押手側の母指と示指で鍼(ステンレス鍼、長さ50mm、直径22mm)に触れ、その鍼を寒天培地上に置いた。手指については寒天培地上に5秒間接地してもらった。すべての寒天培地は37℃で24時間培養し、培地上のコロニー形成の状況を確認した。また、対象者に、実験中、行いづらかった操作等について回答を求めた。さらに、実験の状況はビデオカメラで撮影し、衛生操作上、問題となると考えられる行動を確認した。
結果:条件1のみ、6名中1名で鍼よりコロニーが形成された。条件2、3、4ではいずれの鍼からもコロニーは形成されなかった。鍼灸師の手指に関しては、条件1ではすべての対象者でコロニー形成が認められたが、条件2では3名、条件3では4名、条件4では3名であった。視覚障害者の対象者1名からは、グローブの取り出し口がわかりづらかったという意見があった。ビデオによる観察では、視覚障害者でグローブ装着時にグローブ表面に触れる行動が認められた。
結論:素手であっても手洗い消毒を行えば鍼への細菌の付着を抑制できる。さらにグローブを使用した場合は、より鍼を清潔に保つこと可能であると思われる。
p168
恒松美香子、今井基之、今井賢治