「私は性同一性障害者である」という自己物語の再組織化過程:自らを「性同一性障害者」と語らなくなったAの事例の質的検討
本研究では性別適合手術を望み治療中の性同一性障害者が治療から離脱し、自らを「性同一性障害者」と語らなくなるまでのプロセスを縦断的インタビューによって追跡した事例研究である。分析視点は、①治療へのモチベーション及び身体の捉え方の変化、②当事者を取り巻く社会的関係の変化、③病いの意味づけの変化である。当事者の社会的関係の拡大が身体違和感を相対的に低下させることが明らかになった。
パーソナリティ研究