「望む性」を生きる自己の語られ方
本研究は、性同一性障害者1名の語りから、当事者が「性同一性障害者」になってゆくプロセスを自己物語の観点から明らかにすることを目的とした。自己を性同一性障害と認識する以前の自己物語はセクシュアリティを巡って変遷し、ダブルペルソナという心理的構造が見出された。ダブルペルソナは、当事者の揺らぐセクシュアリティやアイデンティティに起因して生じており、当事者に苦悩をもたらすものであった。
立命館大学 学位論文(修士)