1事例研究再考 : 個を理解するということをめ ぐって
本研究は、個の理解を目指す質的研究に新たな視点を導 入することを目的とし、1事例研究を再考し、1事例研究にみられるモデル構成の多様性を示した。心理学研究、 臨床実践、質的研究法における事例研究を概観し、論文 の読み手の参入もあいまった1事例の多次元的理解の可 能性を示唆した。生の断面に現われた1つのエピソード( 事例)は、その関わり手に立ち上がった問いとの関連において多元的な意味に向かうと結論付けた。
京都大学大学院講座紀要「教育方法の探求」