ある性別を引き受けるということ-「なじむ」「追いつく」「重ねる」という語りにみる性的自己の定位と揺らぎ
日本心理学会 第86回大会
本研究では性的自己の発達-ある性別を引き受けること-の一端を明らかにすることを試みた。性的自己が定位するまでに揺らぎがみられた4名に半構造化インタビューを行い、事例ごとに性的自己の変容プロセスを抽出した。場所への所在をあらわす「なじむ/なじまない」「追いつく」「重ねる」という動詞を手掛かりに分析した結果、性的自己はさまざまなありようを持ち、身体と環境とのつながりとともに現出していた。