ヒトにおける足三里への鍼通電刺激がLPS由来の血中炎症応答に与える影響を解析することを目的とした。若年男女63名を無作為に偽鍼処置群(CON)、鍼通電刺激群(EA)に分け、左右の足三里に対して、CON群には切皮程度、EA群には2.5cm程度の深さ刺入し通電刺激も行った。介入前と介入4日間後に採血を行い、炎症性サイトカイン(TNF-α、IL-6)、抗炎症性サイトカイン(IL10)濃度を解析した。また、末梢血単核細胞の異物貪食能も解析した。その結果、CON群と比較しEA群では、TNF-αの分泌増大は有意に抑制された。ヒトにおける足三里深部への鍼通電刺激はLPS誘導性の炎症応答を抑制する可能性が初めて明らかになった。