高分子や微粒子の薬剤を選択的に腫瘍組織へ透過・貯留させるEPR効果は、ニトログリセリン(NG)併用により増強され、それに伴い薬剤の抗腫瘍効果も増大するという報告がある。我々が開発した抗腫瘍組換えビフィズス菌はEPR効果を基盤としているため、今回はNG投与によってビフィズス菌の抗腫瘍効果が増強するか検討した。
結果、NG投与によりビフィズス菌の腫瘍への集積数は増加し、抗腫瘍効果も増強した。肝臓および血液中ではNGの投与の有無にかかわらずビフィズス菌が検出されなかった。以上の結果から、抗腫瘍ビフィズス菌はNG製剤の併用により、安全性の高い抗腫瘍治療となることが期待される。
担当部分:共同研究のため本人担当部分抽出不可能
迫田 凌太、平 裕一郎、平 郁子、清水 芳実、磯田 勝広、斎藤 浩美、石田 功