解体新書以前の「神経」概念の受容について
江戸期日本は欧州の医学的知識を熱心に移入し続け、日本の医学は大きな変貌を遂げたが、それは概念体系において起こった。本稿は解体新書以前に、日本に外科医たちがどのように「神経」という概念を理解していたのかを、特に「神経」という単語に対応する日本語の使用法に注目して考察し、日本の外科医たちは、欧州の医学的知識を理解するにあたって、東洋的医学的な考え方に大きく影響を受けていたことを明らかにした。
日本医史学雑誌