本邦では新生児聴覚スクリーニングの普及に伴い、0歳台から支援を要する子どもが増えている。しかし療育機関の設置状況の地域差ゆえに、居住地域で十分な支援を受けられないケースも少なくない。近年では各地方自治体で手話言語条例の制定が進み、一部には聴覚活用を重視しない支援現場の動向も認められる。この背景には、従来早期補聴の重要性が、子どもの音声言語能力促進に限定した議論になりがちで、聴覚活用が本来有している情操的な意味合いに十分目が向けられてこなかった影響が考えられる。特に乳幼児の発達には関わり手である大人側の「受