O.G.バウアー著『音楽の精神からの《トリスタン》の演出』
筆者のO.G.バウアーはワーグナーの楽劇『トリスタンとイゾルデ』の演出史を考える上で重要な演出家としてA.アッピア、ヴィーラント・ワーグナー、ゲッツ・フリードリヒ、J.P.ポネルらの名前を挙げている。彼らは台本の徹底的な読みと斬新な演劇表現によって、時代を画する舞台を作り上げている。彼らに共通して言えることは、音楽を視覚的イメージで捉えようとする姿勢である。
「年刊ワーグナー1991」所収音楽之友社PP.176-187