その他の研究業績等

基本情報

氏名 東郷 好美
氏名(カナ) トウゴウ コノミ
氏名(英語) Konomi Togo
所属 健康メディカル学部 医療科学科 臨床工学コース
職名 准教授
researchmap研究者コード
researchmap機関

タイトル・テーマ

臨床工学教育におけるshared decision makingの概念

単著・共著の別

その他(発表学会等)

発行又は発表の年月

202011

発表学会等の名称

第58回日本人工臓器学会大会(高知市・高知県立県民文化ホール)

概要

Shared decision making(SDM)とは、「患者背景や患者自身の考えを尊重し、医師を含めた医療者と繰り返し話し合いながら、最良の治療方針を決定すること」である。SDMは腎代替療法のように、治療法に選択肢があり、どの治療法も根治療法ではない場合によい適応となる。現在、腎代替療法においては、さまざまな職種が役割を分担するチーム医療がおこなわれており、医師をはじめ、看護師、薬剤師、管理栄養士、そして、臨床工学技士などが関与する。このワークショップでは、臨床工学教育におけるSDMの問題を明らかにし、その対策について検討したい。

腎代替療法において、臨床工学技士の主な業務は血液透析装置の操作と保守点検、血液透析液の清浄化である。患者がどの腎代替療法を選択するかの意思決定に至るまでに、医師の指示のもと、臨床工学技士が血液透析装置などについて患者に話す機会はある。そのとき、臨床工学技士がSDMの概念を適切に理解していないと、患者が最良の治療法を選択できなくなる可能性がある。さらに、患者への十分な情報提供が行われたSDMでは、医療者との強い信頼関係を築くことができるという報告があるが、臨床工学技士のSDMの理解の程度によっては、信頼関係が満足に築けず、治療自体に影響を与えることも考えられる。医師や看護師よりも臨床工学技士は、腎代替療法導入前の患者と話す機会は、比較的少ないため、SDMについて十分に理解していなくても、現状では直ぐに困ることは多くないが、チームとして最良の医療を提供するには、臨床工学技士もSDMについて十分に理解しておく必要がある。現在は、臨床工学技士の養成プログラムにおいて、SDMを直接取り扱う科目が設定されておらず、国家試験への出題もない。そのため、SDMについて学習する機会がほとんどない。今後はカリキュラムへの導入も検討の必要がある。
卒後早くから良いSDMを実践するために、臨床工学技士の養成プログラムにおいて、ロールプレイを取り入れることが有用と考えられる。臨床工学技士および患者役を行うことで、患者の心理や気持ちの変化に気付くことが予想される。

ワークショップ
口頭発表