右円蓋部髄膜腫摘出術後の症例に修正 CI 療法を実施したので報告する。尚、本発表に際し症例に同意を得た。対象は右利きの 60代女性。術前は、左片麻痺はSIAS運動検査 3,3,1,0,0,左上肢の感覚は SIAS 感覚検査で、触覚 2、位置覚 2、上肢機能は STEF 右 91 点、左 51 点であった。MAL は AOU4.1、QOM2.9 で、ADL での左上肢の動作の質が低下していた。右円蓋部髄膜腫摘出術後 4 日目から修正 CI 療法を実施した。課題指向型練習の難易度をQOM3-4 に調整した。Transfer Package は誓約書と日記は実施せず、口頭説明と自己練習表を用いた。麻痺手の集中的使用は、練習時間を 1 日 2 時間以下とし、OT とともに課題指向型練習を 20-60 分、病棟での自己練習を20-60 分、週 5 日、計 17 日間実施した。練習時間は術後管理や体調に合わせて分散させた。左片麻痺はSIAS 運動検査 5,5,4,5,5,左上肢の感覚はSIAS 感覚検査で、触覚 3、位置覚 3、上肢機能は STEF 右 94 点、左 91 点、MAL は AOU5、QOM4.7 となり実用手を獲得した。有害事象はなかった。本事例は術後のため長時間練習は困難であった。練習時間を分散させた修正 CI 療法は安全に実施可能であった。
本人担当部分:抄録、発表準備協力 (共同) 共同発表者:篠原真矢、吉野智佳子