右上肢に深部感覚障害を呈した症例に対し、急性期より修正 CI療法を実施したので報告する。尚、本発表に際し症例から同意を得た。対象は左視床に脳梗塞を発症した 50 代男性。右片麻痺は、SIAS運動検査 3,4,4,5,5,右上肢の SIAS 感覚検査は、触覚 3、位置覚 1、協調性障害は SARA8.5 点、MAL は AOU3.3、QOM3、上肢機能は STEF で右 63 点、左 94 点であった。【方法】課題指向型練習は QOMが 3-4となるように難易度を調整した。Transfer Package は誓約書と日記は実施せず、口頭説明と自己練習表を用いた。麻痺手の集中的使用は、練習時間を 1日 2 時間以下とし、OTとともに課題指向型練習を 40-60 分、病棟での自己練習を 20-60分、週 5日、計 10 日間実施した。 SIAS運動検査は 4,5,5,5,5,右上肢の SIAS感覚検査は触覚 3、位置覚 3、SARA3 点、MALは AOU4.8、 QOM4.3、STEF右 92 点、左 99 点となり、深部感覚、協調性、上肢機能が改善した。急性期から修正 CI 療法を導入し、複数の関節自由度を必要とする運動課題を集中的に行えたことで、多様な能動的感覚刺激が増大され、深3部感覚障害による上肢機能障害の改善に繋がったと考えられた。
本人担当部分:抄録、発表準備協力 (共同)
共同発表者:篠原真矢、吉野智佳子