新任の実地指導者が新人指導で経験した困難を乗り越えるためにとった行動を明らかにすることを目的に、11名の新任実地指導者に半構成的面接を実施した。その結果、指導上の困難を乗り越えるために他の看護職者への相談、新人の状況の把握、同僚との協働、新人の学びを促す機会の提供、先輩への指導の依頼等をしていた。これらの行動の支えは上司や同僚からのサポート、自分を理解してもらえる身近な存在との関わり、指導者としての自覚、新人が成長した実感であった。新任の実地指導者は他の看護職者から支援を受けることや、自ら指導する動機を高めることを支えに、指導上の困難を乗り越えると示唆され、指導者としての自覚を促す働きかけが必要だと考察された。(平野蘭子,小山眞理子,加納佳代子)(p.200)