その他の研究業績等

基本情報

氏名 百瀬 良
氏名(カナ) モモセ リョウ
氏名(英語) MOMOSE RYOU
所属 健康メディカル学部 心理学科
職名 講師
researchmap研究者コード
researchmap機関

タイトル・テーマ

食物アレルギーの心理面に与える影響に関する実態調査(3) 原因食物の違いによる差に焦点をあてて

単著・共著の別

その他(発表学会等)

発行又は発表の年月

202211

発表学会等の名称

日本健康心理学会第35回 東北学院大学土樋キャンパス ホーイ記念館

概要

食物アレルギー(FoodAl le rgy:以下FA)児や保護者はFAの原因食物となる食品の完全除去や極少量の摂取による、 制約の多い生活を長期間に渡って強いられる。FA児やその保護者のQOLの低さや不安、ストレスの高さ(e.g. Cummings et al.,2010) が複数の先行研究で報告されている。 小西他(2021)は緊急性の高いアレルギー症状と保護者の精神的負担感の関連を報告し、FA児がFAを治したいという気持ちや治療への積極性とアレルギー症状の少なさとの関連を示唆している。
本研究では我が国の乳幼児の3大アレルゲンである卵・牛乳・小麦の各FAを対象とし、FAの兄弟姉妹の有無や原因食物の複数保持と保護者やFA児の心理面との関連を検討した。
①FAの兄弟姉妹がいることは保護者や本人のFAに対する態度と関連すること、 ②Ward & Greenhawt (2015)はFA児の複数の原因食物は保護者のQOLを低下させることを報告しており、FA児の複数の原因食物は保護者やFA児の負担感の高さや FA に対する否定的な態度と関連する、という仮説を立て検討を行った。
その結果、FA の兄弟姉妹がいることや原囚食物の数は、 保護者やFA 児の精神面やFA に対する態度とは有意な関連は認められなかった。FAの治療は、制約が多いことによる精神的な負担感 が高く、それは原因食物の数が増えるほど増し、精神的負担 感の高さやFA に対する否定的な態度と関連するという仮説を立てたが、原因食物が1 つか複数か、FAの兄弟姉妹がいるか否かには関連しないことが明らかになった。FA 児自身が FA であるということ自体が保護者やFA児の精神的負担感やFA に対する態度と関連があると考えられる。しかし、本研究で 用いた質間紙では、原因食物別に精神的負担感やFA に対する態度の評価を求めており、FA治療全体に関する評価を十分できていない可能性もあったと考えられ、今後さらなる検討が必要であることが示唆された。