卵や牛乳のFA治療に対する保護者の精神的負担感と有意な関連が認められた各アレルギー症状は、アレルギー症状出現後の対処が大変なものやアナフィラキシーを想起させる症状と考えられ、急な対処が必要となり強いストレスが引き起こされるのかもしれない。子どものFAに対する気持ちに関して、卵と牛乳において治療への積極性や治したいという気持ちはアレルギー症状を少なくする可能性が考えられる。小麦において拒否感を全く感じない子どもが6割程度存在すること(小西他,2020)に加えて、本研究において小麦については保護者の不安や精神的負担感と各アレルギー症状との間に有意な関連がなかった。以上より、保護者のFA治療に対する精神的負担感が子どものアレルゲンに対する拒否感を誘発する可能性が考えられ、卵や牛乳は心因性FAの形成が生じる可能性が考えられる