メタ認知訓練プログラムの有効性の評価研究．

第31回社会精神医学会，東京

今回我々は外来統合失調症患者を対象にMCTを行い、精神症状を持つ当事者の自己モニタリング（メタ認知・自己意識）に及ぼす影響ついて検討し、症状や社会機能の改善との関係について検証した。社会機能および陰性症状においてMCT施行前後で有意な改善を認めたが、陽性症状の改善は認めなかった。Effect Sizeを考慮すると、被験者数の増加により有意に転じる可能性がある。セルフモニタリングでは自尊心の項目が有意に改善しており、自尊心の上昇から自身に対する良い側面が捉えられるようになってきていることが示唆される。以上より、統合失調症におけるMCTは症状特異的な改善効果のみならず、自尊心の改善を通じて全般的な生活状況の改善を茂足らず可能性が示唆された。　江口聡，吉原美沙紀，山崎修道，夏堀龍暢，成松裕美，北村早希子，村木美香，管心，荒木剛，笠井清登