成人のASDについて心理検査の解析を行い、その特徴について検討した。ASDの場合、本人と他者の評価にかい離があることが考えられるため、周りの人々から情報収集することが重要になると考える。また 成人期で初めて診断されるケースでは、幼少期における発達障害特性が顕著ではなかったものの、大学や職場などで不適応状態となり、抑うつや不安などを主訴に精神科に受診する場合が多い。発達障害特性が見られていても、言語性能力が高く、学業的な問題がなかったことで、成人になるまでの発達障害の発見が遅れることが考えられた。そのため学校場面でのASDについての理解、そして相談機関の普及が重要と考える。また成人のあSDの場合適応行動やその思考に困難さを抱えるものが多いことから、個別性(ASD特性+性格特性+生活環境)を把握した上で、具体的な心理教育、具体的な今後のプラン案についてお伝えすることで、実際に行動に移ることに直結していると考える。具体的なプランが提示され、本人特性に合った形でそれが実行されることが今後の自尊心の向上という副次的効果につながると考えられた。 江口聡,江里口陽介,柏原彩曜,小川知子,石川菜津美,濱田純子,松田なつみ,金生由紀子