文学的な文章における挿絵の課題―物語論を援用して―
文学的な文章における読者は、語り手の語りによって物語世界に誘われ、語り手の語りを手がかりとして物語世界を想像するのである。本稿ではこうした物語論を視座とし国語科教育における挿絵の課題を論究した。その結果、読者が思い描く物語像と挿絵との整合性を担保することが、国語科教科書の文学的な文章の挿絵における重要な要素であることを示唆した。
川村学園女子大学教職センター年報