アスリートの競技不安により生じる抑うつ症状の生起課程の検討―認知的変数に焦点をあてて―
日本スポーツ心理学会第46回大会、筑波大学
本研究では、競技不安を高める可能性がある大会(試合)前を想定し、抑うつ症状の生起課程の検討を行った。そして、介入へ向けた認知的変数の検討も行った。調査対象者は体育系大学に在籍する603名であった。パス解析の結果、脅威性認知と推論の誤りが競技不安を媒介して抑うつ症状を高めること、また推論の誤りは直接的に抑うつ症状を高めることが示された。さらに認知的統制は直接的に、あるいは競技不安を介することにより、抑うつ状態を低減する可能性が示された。