大会前の競技不安が抑うつ症状に与える影響 -推論の誤りを媒介として-
日本スポーツ心理学会第44回大会、大阪商業大学
本研究では、競技不安を高める可能性がある大会(以下、試合も含む)前を想定し、競技不安が推論の誤りを介して抑うつ症状に与える影響を明らかにすることを目的とした。さらに、推論の誤りを構成する変数の中で、抑うつ症状の低減につながる介入変数の検討も行うこととした。調査対象者はA大学に所属し、競技を継続している男子大学生133名であった。その結果、抑うつ症状に繋がるプロセスとしては、「勝敗の認知的不安」と「自信喪失」は「恣意的推論」「選択的注目」「過度の一般化」を経て「抑うつ症状」に影響を与えていた。