本研究は,簿記学習に効果的なボードゲームに求められるモデルの提示を試みる.具体的には,既存ゲーム『BG』を対象システムの一つのモデルとして捉え,このモデルに選択された要素について,会計学の正常営業循環期間の視点から,整理を試みる.その後に,商品販売業の企業経営のモデルについて提示を試みた結果,簿記学習の補助教材を目的としたマネジメントゲームは,現金取引だけでなく売上債権や仕入債務での取引も行う商品販売業をモデルとすべきであるが,生産過程が無いことによってゲームとしての面白さが失われる可能性がある.しかしながら,企業経営をテーマとしたゲームであるため,外部環境の変化ということで不確定要素を作ることができる.