本稿の目的は、中小企業政策で対応し難い企業活動に関して、政策が担うべき役割について提言することにある。2013年8月に経済産業省中小企業庁が発表した「日本の中小企業・小規模事業者政策」で実施されている具体的活動は、岡田(2013)の起業活動の課題に関する指摘に一部対応しているが、行われていない活動もある。伊丹・加護野(1986)が企業について基本的活動を異なった側面から分類をした「物質観」「情報観」「エネルギー観」の3つの視点からみると、「エネルギー観」に分類される部分が実施されておらず、政策が担うべき役