新卒看護師をサポートするための教育プログラムを構築することを意図し,新卒看護師が認識する実地指導者からの具体的なサポートを明らかにすることを目的とした.調査対象はA県内の大学病院2施設に勤務し,研究協力の同意が得られた新卒看護師7名であり,調査方法はグループインタビュー法を用いた.調査内容は,対象者の基本属性(性別・新卒看護師の教育体制)と,中原(2010)の調査方法を参考に職務の中で認識する実地指導者の接し方,指導方法についてどのような効果的なかかわりがあるか具体的な場面を含め自由に語ってもらった.分析方法は安梅(2014)のグループインタビュー法を参考に,ICレコーダーから得られた記録から逐語録を作成した.逐語録を精読し,新卒看護師が認識する実地指導者からのサポートについて語られている内容を抽出し一文章一意味で抽出した.また,抽出したものをコード化し,類似した内容を検討,分析しカテゴリー化し,カテゴリー名を付けた.これらの分析の過程は,新卒看護師の研究を行っている複数の研究者と検討を重ねた.さらにグループインタビュー法に精通した専門家のスーパーバイズを受け実施した.
結果は、対象の属性は男性2名,女性5名であった.新卒看護師が認識する実地指導者からのサポートは《看護技術を習得するためのサポート》,《看護実践を遂行するためのサポート》,《実践した看護の意味づけをするサポート》の中カテゴリーからなる【業務的サポート】と,《承認に関するサポート》,《受容に関するサポート》の中カテゴリーからなる【情緒的サポート】が抽出された.
考察:実地指導者が新卒看護師に対し業務に関わるサポートや情緒に働きかけるサポートができるよう,職場環境を調整することや具体的な教育プログラムを作成していくことが必要である.
著作者:中澤沙織、鈴木英子、川村晴美、田辺幸子