1960年代から現在まで多くの血液浄化器が開発され、その溶質除去性能や透水性能、そして、生体適合性に関する検討が行われてきた。血液浄化器の溶質除去性能および透水性能の評価については、日本透析医学会による血液浄化器の性能評価2012が基準として存在するが、生体適合性の評価方法は定まっていない。そのため、in vitroにおける血液浄化器の生体適合性の評価方法に焦点を当て、その利点と短所について検討した。
in vitroにおいて血液浄化器の生体適合性の評価を行う場合、①どのモジュールを用い、②どの溶液で検討するか決定する必要がある。まず、①どのモジュールを用いるかについては、市販されている血液浄化器、または、市販されている血液浄化器を小型化したミニモジュールを用いた検討が多く行われている。次に、②どの溶液で検討するかについては、生体適合性の評価には全血を用いることが多く、ヒト血または動物血が用いられている。
in vitroで血液浄化器の生体適合性の評価を行う場合には、それぞれの方法の利点と短所を考慮して検討を行う必要がある。