静脈血栓塞栓症(Venous・Thromboembolism:VTE)の理学的予防法として足関節自動運動が知られている。しかし、足関節自動運動の効果を報告している研究のほとんどは、仰臥位姿勢であり、実際の臨床の現場では姿勢に関する指導までは行われていない。また、姿勢を変化させた場合の影響に関する報告もない。そこで、今回足関節自動運動による下肢静脈血流速度および血流量の変化を異なる姿勢間で比較検討した。VmaxおよびFVにおいて足関節自動 運動と姿勢問で交互作用は認められなかった。全て の姿勢で運動直後にVmaxおよびFVの有意な増加 が認められた。Vmaxは、仰臥位が他の3つの姿勢と 比較して安静時・運動直後とも有意に速いことが示 された。また、FVは、仰臥位が膝軽度屈曲した座位 あるいは膝屈曲した座位と比較して安静時に有意に 多いことが示された。