予防介入では、継続できるシステ ム作りが重要であり、PT・医師・トレーナー・学生スタッフで協力し、 プログラム管理と傷害者への対応を行っている。また、予防介入 の成果としては、第一に介入前後でACL損傷が減少するかを 検討した。対象は大学女子選手で、介入前4年間をコントロール 期、介入後4年間を予防トレ1期、その後プログラム改良を加えた 2年間を予防トレ2期と定義し、各々の1000Athelete-Exposures 当たりのACL損傷発生率を算出した。その結果、発生率はO.25 から0.13、0.10となり、発生率が減少した。第二にトレーニング効 果として、介入前後で片脚着地動作がどのように変化するかを 検討した。対象は大学女子選手11名で、実施前に片脚着地動 作測定を行い、9ヶ月間予防トレーニングを実施し再度測定を行っ た。動作課題は30cm台からの片脚着地動作とし、前額面・矢 状面からハイスピードデジタルカメラで撮影(120Hz)した。接地 時、50ms時の股屈曲・内転、膝屈曲・外反を算出した。その結果、 股屈曲角度が有意に増加し、股内転、膝外反角度が有意に減 少した。我々が作成した股関節に着目した予防トレーニングの実 施によって、損傷リスクが軽減すると考えられた。