【背景】医療サービスを議論する際は変動する柔道整復施術所数と都道府県の人口動態数を確認してデータ処理し検討する必要がある。【目的】柔道整復施術所の医療偏在問題を議論するのに必要なデータ処理、柔道整復施術所/人口10万人の処て全国の柔道整復施術所の偏在があるのか検討した。また、偏在の原因を検討して考察を加えた。【方法】厚生労働省が9月4日に発表した「平成30年衛生行政報告例(就業医療問縁者)結果の概況」に対して総務省統計局が発表した日本人人口(平成30年10月1日現在)を利用して、柔道整復施術序数を都道府県別に人口10方対の施術所数を算出し単純比較をおこなった。【結果】1.全国の柔道整復施術所数について 日本全体の柔道整復施術所数は50077院、都道府県の平均は1065.47院であった。人口は約124218000名、人口10万対柔道整復施術所数は36.69院であった。2.市町村別人口割合差について県全体に対し、柔道整復施術所が多い順に大阪(78.5)、和歌山(70.0)、富山(61.9)、京都(58.9)、奈良(49.5)、石川(47.1)、香川(46,7)、東京(44.8)、であった。また、ワーストでは、鳥取(12.8)、島根(15.7)、三重(21.8)、新潟(23.0)、山口(23.0)、熊本(23.6)、沖縄(25.8)、岩手(26.1)、愛媛(27.5)であった(表1)。【考察】医療施設が医療需要の多い所に遍在するのは需要と供給の単純モデルであるが柔道整復施術所も例外ではないことが考えられた。また、都市部に近い市町村ほど人口10万に対して柔道整復施術が多くなり、遠い市町村ほど少なくなることが考えられた。