胸部への包帯法である胸十字包帯法を用いて、女性モデル練習群と女性型マネキン練習群における包帯法施行時間の違いを検討する。また、練習回数による施行時間への影響を検討する。マネキン群(n=11)の施行時間は、練習前平均61.5±19.4秒、5回練習後平均48.5±18.0秒、10回練習後平均44.3±12.2秒であり、女性モデル群(n=10)の施行時間は、練習前平均62.2±10.3秒、5回練習後平均47.8±9.1秒、10回練習後平均44.9±6.4秒であった。解析の結果、練習回数の主効果にのみ有意差が認められた。多重比較検定の結果、どちらの練習群も練習前よりも5回練習後、および10回練習後の施行時間が有意に短かったが、5回練習後と10回練習後の間には差がみられなかった。女性を対象とした胸十字包帯法を習得する際、女性型マネキン、女性患者役のどちらを対象として練習を行ったとしても施行時間に差がみられないため、習熟効果に差がないと推測できる。練習回数による影響として、5回練習することで十分な習熟効果が見込まれる。