「背景」機能訓練指導において、回復病院からの退院後、維持目的として機能訓練特化した通所介護を利用する場合が多い。
その際、病院より看護サマリーと一緒にバーセル指数も情報として提供される。介護保険制度のおける介護度は機能訓練内容に反映されるが、バーセル指数の点数はどのような指標になるのか機能訓練指導において活用できると考えられる。「目的」機能訓練指導内容の情報として、介護度とバーセル指数がどのような影響や関連があること明らかにすることを目的とした。「方法」対象者は千葉市の居宅介護支援事業所が担当している利用者 44 名(81.9±6.3)に対して介護認定審査資料からバーセル指数項目の食事、車いすからのベッドの移動、整容、トイレ動作、入浴、歩行、階段昇降、着替え、排便コントロール、排尿コントロールの項目に点数化をおこない、介護度要支援 1、2 要介護 1、2 群と要介護 3、4、5 群とに分け比較をした。「結果」介護度要支援 1、2 要介護 1、2 群(A 群)と要介護 3、4、5 群(B 群)とのバーセル指数の得点に有意差がみられた。
「考察」本研究では、退院時にバーセル指数の情報が介護制度の認定度との関連について検討した。その結果 A 群と B 群で大きく変化することが分かった。A 群においては変化することが少ないため、介護認定調査資料を機能訓練指導の情報として活用することが必要と考えられる。